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研究について

当教室の診療活動には、手術室麻酔、集中治療、ペインクリニック、産科麻酔、心臓麻酔と5つの柱がありますが、研究もそれぞれの部門単位で活発に行っています。さらに部門を超えた協力も進展してきました。

宮尾 秀樹名誉教授の加湿及び輸液に関する研究はいずれも有名で、特に加温加湿器の研究は世界をリードし、ISO国際規格決定にも参加しました。また、HES(Hydroxy -ethyl Starch)の研究と努力により、今後の日本の周術期輸液プラクティスに変化が起きようとしています。輸液や輸血に関する最新文献を紹介するWorld Literature Reviewを編集し、医局勉強会で定期的に紹介しています。

前研究主任である川﨑 潤教授は、Pendelluftや肺胞洗浄液(BALF)など呼吸の研究から、一転、米国留学以降は血液凝固の研究に主軸を置いています。トロンボエラストグラフを用いての、抗血栓療法の新しい効果判定法(日欧米の国際特許取得)を生みだしました。さらに、血小板機能の測定における新しい研究に着手するなど、この領域の第一人者です。トロンボエラストグラフの各ポイントでの血小板や血栓の形態を電子顕微鏡で捉えた鮮やかな研究は、IARSのBest paperに選ばれました。

集中治療室(ICU)の責任者である小山 薫教授は、若い先生方の論文を指導する傍ら、週末はBLS、ACLS、PALS 講習会を開催、あるいはインストラクターとして参加しています。大きな話題となっている“救急蘇生法”を広めるべく、日本中を駆けまわり、社会的に大きな責務を果たしています。

現研究主任の照井 克生教授は、日本有数の産科麻酔科を主宰しています。これまでフローサイトメトリーを使ってのPDE3阻害薬の血小板機能抑制効果とその機序に関する研究、トロンボエラストグラフを使っての母体・胎児血の凝固系の把握、DDGアナライザーを用いた妊娠高血圧症候群での血行動態評価など、周産期に関連した研究を行ってきました。最近は母児のイオン化マグネシウム動態や、硫酸マグネシウム治療効果をイオン化マグネシウム濃度と関連づける研究を行っています。

田中 基講師は、カナダ・トロント大学とトロント小児病院における4年半の産科麻酔・小児麻酔の臨床研修の傍ら、積極的に研究し、「帝王切開の脊髄くも膜下麻酔の昇圧薬としてのフェニレフリン至適量の検討」、「血小板減少妊婦における区域麻酔の安全性の検討」、「超音波ガイド下区域麻酔の有用性」などの英語原著論文を発表しました。帰国後は妊婦における非侵襲的心拍出量モニターの精度の研究を自身で開始する一方で、産科麻酔・小児麻酔の発展のため、様々な研究を計画・指導しています。

研究留学先として、ボストン小児病院麻酔科の結城公一准教授に指導を頂いております。

学位取得者は、平成27年度が、山家陽児、松田祐典、大橋夕樹医師、平成28年度が清水健次、岡崎敦子医師でした。

当科の若い教室員は、これらのスタッフの指導により、多忙な診療の傍ら、学会発表や論文執筆に日々努力しています。